TOP

大連レポート

○「春節」と「春運」~民族大移動の季節到来~

2020-01-28

中国では、旧暦の新年「春節」を家族と過ごすため、都市部の労働者や学生などが春節に合わせ、大きな荷物を抱えて一斉に故郷に帰省します。春節を中心にした前後約40日間が「春運」と呼ばれ、毎年、各種交通機関の利用がピークを迎える期間となります。

今年の春運は、1月10日から始まり2月18日までの40日間となっており、全国での延べ旅客者総数は、今年30億人を超えると推計されています。そのうち鉄道利用者は延べ4.4億人と見込まれ、帰省客にとっては、乗車券の購入が出来るかが大きな関心事になっています。(※因みに、帰省客の大半はバス等の利用で延べ24億人と推計されています)。

鉄道を例にとると、春運期間中の乗車券の発売時期は1日毎に決められており、発売開始と同時にあっという間に予約で埋まっていくとのこと。かつては、鉄道の乗車券を購入するため、駅の窓口に辛抱強く並び、乗車券を入手していましたが、現在では、インターネットサイトから事前申込を行うことが可能となり、利便性は大変向上しています。

もっとも事前申込が多いため、希望通り乗車券が入手できるとは限らないとのこと。今回たまたま、乗車券の販売開始時刻に駅にいたため、販売開始時の様子を見ることが出来ました。購入を待つ行列に割り込み等が多発し、殺気立っていた昔とは異なり、今は静かに列に並び、順番を待っている状況で、隔世の感を禁じえません。

   また、昨年12月から乗車券のペーパレス化が導入され、中国人は身分証明書を自動化ゲートで読み取ることで乗車できるようになりました(残念ながら、外国人はまだ、係員に旅券等を掲示することが必要です)。改札通過や座席位置等を巡って混乱が起きるのではと思いましたが、大きな混乱もなく、順調に導入が進んでいるようです。中国では、身分証番号や銀行口座がスマートフォンと紐づけられ、それを基盤としたキャッシュレス決済などが広く普及しているため、こうした利便性向上の取組への対応は慣れているのかもしれません。

(春節を待つ大連市内の様子)

                  


ただ、今年の春運期間中、新型コロナウイルスによる肺炎が発生しています。各地で感染者が確認され、その後も拡大を続けているため、世界的な流行も懸念されています。このため、在留邦人も正確な情報を把握し、自分で対応できる限りの対策を取っていくことが必要ですので、中国側関係機関をはじめ、日本の外務省の安全情報や大使館からの情報発信等に注意し、噂話等に惑わされることなく、適切に対応していくことが重要となります。

(参考)

外務省海外安全情報 :https://www.anzen.mofa.go.jp/

在中国日本大使館  :http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm

厚生労働省感染症情報:https://bit.ly/37jRZ09 ※短縮アドレス