2020-08-06
7月22日のコロナウイルスの感染者1名を新たに確認との発表から8月3日までの間、大連市内では合計89名の感染者が確認され、感染者は指定病院で治療が行われています。
今回の突然の感染再発は、市内の水産加工工場でのクラスター発生を発端としています。22日の日中から中国人のSNS等での口コミを中心に「感染者が確認されたらしい、行動履歴は・・」との噂が広がりはじめ、その日の夜遅くに感染確認が正式に発表されました。
大連市では、今回の感染再発とその後の感染拡大を受け、矢継ぎ早に様々な対策が実施されています。22日に発表された、感染者が利用した地下鉄駅(一駅)封鎖を皮切りに、周辺住民約19万人への核酸検査の実施、危険地域レベルの引き上げに加え、26日からは全市民600万人を対象とした核酸検査が実施されました(市内主要部は30日に終了)。
こうした一連の対応を目の当たりにする中で、幾つか感じたことがあります。一点目は、市民の問題意識です。ウイルスへの感染予防を図るため、感染確認の発表直後から街中の人通りが消え、コロナウイルスへの予防意識、警戒感の高さが伺えました。
二点目は、市政府等の公式発報等の検索・確認の容易さ及び利便性です。大連市では、「微信(中国版Twitter)」上の「大連发布」等の公式アカウントで、公式発表情報等を時系列に掲載しており、感染者状況、注意喚起等の各種情報をいつでも確認することが出来ました(基本は中国語のみですが、一部には多言語対応のものもあります)。
三点目は、緊急時の動員体制です。今回は600万人を対象とした核酸検査を実施しましたが、他地域からの応援スタッフの確保、検査資材の調達等が迅速に行われ、僅か数日で全市民の核酸検査を概ね完了させたその動員力には目を見張るばかりでした。
日本と中国では国の制度が異なるため、一概に比較することは出来ませんが、こうした対応を即座に実施できる中国の社会基盤に驚かされました。このような中国の新たな一面にも目を向けることも大切であると感じました。
(参考:大連市内での感染再発直後の主な動き)