2021-03-05
中国の年越番組「春节联欢晚会」は、日本の紅白歌合戦に当たる中国での年越しには欠かせない国民的な娯楽番組として、多くの中国人が楽しみにしており、毎年、春節前夜(除夕)の大晦日に放映されています。
最新の統計によれば、今年の「春节联欢晚会」は、世界170を超える国と地域で620を超える多様なメディア(テレビ、インターネット、SNS等)を通じて放映され、総視聴者数は12.72億人に達したとのことです。
そんな国民的娯楽番組の中で、朱鷺をモチーフにした舞踏劇「朱鹮」が上海歌舞団により公演されました。この舞踏劇「朱鹮」ですが、日中友好記念作品として新たに創作されたダンスオペラで、その創作に当たっては、舞台関係者が実際に佐渡等に足を運んで、朱鷺を観察したと伺っています。
このため、最初のプレビュー公演は2014年に東京、新潟、佐渡で公演されました。2015年には日本各地で正式な公演が始まり、その後も中国内外で継続的に上演され、既に世界で250回以上、公演されているとのことです。昨年の春には、日本での再公演が予定されていましたが、コロナウイルスの感染拡大で公演中止となったことは残念でなりません。
早速、インターネットでの反応等を確認してみたところ、「今年のプログラムの中で一番良かった」、「舞台が一枚の素晴らしい絵画のように感じた」、「素晴らしかった」等、かなりの高評価だったようです。
中国では、朱鷺は吉祥の鳥として位置付けられています。その保護活動は40年前の1981年に始まったとのことです。陝西省洋県で7羽の朱鷺が保護され、そこから保護・増殖の取組が行われ、今では5000羽を超える数まで回復しているとのことです。
環境汚染等による生息環境の悪化により、中国の朱鷺は一時は絶滅寸前となりましたが、長年にわたる地道な保護活動により生息数を回復させました。今回の舞踏劇の上映を通じて、人間と自然との共生の大切さを多くの人に伝えたいとの意図もあったのではないかと考えています。
(参考1)中国中央電視台≪舞踏朱鷺≫の動画サイト
https://bit.ly/3sM4BI5 (短縮アドレスです)
(参考2)2015年上映 日中友好記念作品≪舞劇朱鷺≫
https://china.min-on.or.jp/2015/staffcast.html