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大連レポート

○青島ジャパンデイで「新潟館」PR

2013-11-18

 11月15~17日まで、在青島日本総領事館、青島日本人会、ジェトロ青島等が主催する「青島ジャパンデイ」に、新潟市と共同という形で新潟県ブースを出展した。会場は、一定の集客力を持つ青島イオン東部店、BtoC向けの宣伝PRの場としては好条件の場所であった。
 ブースのメインには、中国向けネットショップ「新潟館」の宣伝及び利用促進を目的に、「新潟館」販売商品の展示PRを行った。「新潟館」商品は中国の方々が新潟県産品を個人輸入する形で直接購入することができ、現地通貨の元決済が確実に行われるというメリットがあり、かつ、今後も市場拡大が見込まれるネットショップを活用した常設販売ルートであるという特色がある。目下の課題は「新潟館」通販サイトの認知度の低さであり、この課題克服のため、地道な宣伝普及を続けており、今回の出展もその一環である。 〔中国向け通販サイト「新潟館」アドレス〕 http://emall.chinapay.com/store/289254.html
(青島ジャパンデーの県出展ブースの様子)
 さて、中国では、11月11日を「光棍節」(独身の日)と呼び、中国独自の記念日として定着している。これは、「光棍」が枝葉を持たない木、転じて妻子を持たない独身者の意味に由来し、まさに「1」(シングル)が4つ並ぶ11月11日を指して、シングル(独身)デーと呼んでいる。 
 しかし、最近では、11月11日を「双十一」と呼び、「淘宝(タオバオ)」などを運営する電子商取引の中国最大手アリババグループを中心に「オンラインショッピングの日」として広く認知され、各社が大々的な値引きセールのキャンペーンを展開する日になっている。そもそもは消費欲旺盛な独身者を当て込んだ企業戦略で始まった動きが、今では「ネットショッピングをする日」として定着してしまったのである。売上の内容は、服装などの一般販売店の商品のほか、新車、宝飾品、高額ブランド用品など、大規模かつ広範囲に商品がラインアップされており、すでに独身者のみを対象とするキャンペーンではなくなり、ネットショップ販売促進セールとして破格の経済効果をもたらす興味深い現象になっている。
 今年も、ネットショップ消費の中心である若年層の多くは11月11日に日付が変わるタイミングで、パソコンの前に、又は、スマートフォン片手にネットショップに興じていたという。その結果、アリババグループの「双十一」の総売上は、350億元(約5,700億円)、実に、昨年「双十一」の総売上191億元の約2倍弱の数字をたたき出している。350億元のうち、20%超は携帯電話からの購入で、これも昨年比の6倍弱、中国でのスマホ普及の影響が色濃く出ていると考えられる。さて、たった1日で売り上げた350億元という数字、これは中国本土で約400店舗を展開するウオールマート中国の半年分の売上高に相当、「楽天優勝セール」を展開した楽天市場の今年9月の1か月間の流通総額1,426億円の3倍に相当する額と説明すれば、その途方もない大きさが少しは想像できるだろう。
 この大バーゲンセールの内容を見ると興味深い点がある。アリババグループの販促活動に呼応して参加した通販サイトには、ハイアールなどの家電、ユニクロなどの服装、さらに家具など実店舗をもつ会社が多数含まれ、売上を爆発的に伸ばしている。通販サイトを実店舗関連商品の販促ツールに活用する戦略で、中国の巨大な潜在的消費力を喚起することに一定の効果を得た模様のようだ。
 習近平新体制に移行後のいわゆる贅沢禁止令、無秩序な公共投資の見直し、外国からの投資の伸び悩み等が指摘されている昨今の中国経済であるが、一方で、高級消費財を中心とする消費の拡大傾向は今後も続いていくことは確実であり、消費拡大が中国経済の原動力になっていくことは間違えない。(わ)