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大連レポート
○中国で人気の「農家楽」 ○日本製品中国市場販売支援会の取組
2018-02-13
○中国で人気の「農家楽」
昨年12月、福建省で開催された某旅行業連合会の年次総会に招かれた際、この連合会の会長が冒頭の挨拶で、中国国内旅行の趨勢を説明してくれた。それによると、現在、中国の都市部では、マイカーの普及に伴う近郊へのドライブ旅行と、「農家楽」と呼ばれる農村旅行が人気を呼んでいるとのこと。強いストレスにさらされる都市部の住民にとって、週末に「古き良き中国」を多分に残す農村で、自然景観や農家料理、果物の収獲等をのんびり楽しむような小旅行が貴重な「癒し」となっているそうである。この農家楽とは、観光業と農業を結び付け、農村の自然・文化を観光資源とする農村観光事業で、中国型グリーンツーリズムと呼ばれるものだそうである。都市住民には気分転換を、農村側には三農問題(農業の低生産性、農村の荒廃、農民の貧困)改善の機会を提供するもので、全国的に週休二日制が導入された1995年頃から中国で本格的に展開されてきたとのこと(展鳳彬氏「中国の新型観光農家楽」より)。
この農家楽、元々は内陸部の四川省成都が発祥らしいが、筆者が駐在する大連にも、三方を海に囲まれ、果物が豊富な大連の土地柄を反映した農家楽ツアーがたくさん販売されている。最も多いのはサクランボやイチゴ狩り体験+温泉をメインにした日帰りのドライブ旅行で、日本円で2,000円~3,000円程度の商品が目に付く。また、無数の島々が散らばる大連らしく、一泊二日のドライブで離島の漁村で釣りやボートを楽しむといったもの、旅順の史跡巡りを絡めた商品等も多く、筆者も、もう少し暖かい季節になったら是非農家楽を楽しんでみたいものである。
さて、中国人の農家楽への関心の高さは必ずしも国内旅行に限ったものではなく、海外旅行でも同様ではないだろうか。実際、観光庁「訪日外国人消費動向調査H28年次報告書」の2016年調査結果によると、中国人観光客の訪日旅行における関心事項の中で、「自然体験ツアー・農漁村体験」は、訪日前の期待値は4.1%と低かったものの、「次の訪日でしたいこと」では13.8%と、約10%も増加しており、中国人訪日リピーターの関心の高まり度は「四季の体感」、「スキー・スノボ」に次いで大きい。中国人訪日観光客のリピーター率は近年急増し、上述の調査では33.3%に達したということなので、日本での農家楽も更なる需要が期待できるのではないか。そういえば、一昨年11月、大連の旅行関連の社長さん御一行の佐渡視察を手配したことがあり、筆者は良かれと思い、佐渡島内でもトップクラスのホテルを御紹介したのだが、一行の帰国後の感想を伺うと「次回は是非民宿に宿泊し、地元の方々とゆっくり交流したい」とのことであった。当時は当方の認識不足のため意外に感じられたが、自然の美しさだけでなく、食や治安、住環境等において安心安全清潔な、おもてなしの心に満ちた日本の「田舎」の良さを理解しておられたのだろう。因みにこの御一行の推薦で、現在本県への個人旅行商品造成が計画中なので、新潟の「田舎」の良さを活かしてもらえるよう全面的に協力して参りたい。 (こ)
○日本製品中国市場販売支援会の取組
自社製品を中国で販売したいが、やり方が分からないという日本企業と、優れた日本製品を購入したいが類似商品が多く、何を購入すれば良いか分からないという中国企業とのビジネスマッチングを目的として「日本製品中国市場販売支援会」が大連に設立されたのは2013年11月のこと。大連で貿易会社を営む日本人、日本で生活経験のある大連の中国人経営者等日中双方に精通するメンバーが揃っている。主な支援内容は、中国の実店舗等を利用した小規模なテスト販売。テストしたい商品を日本国内の指定場所へ送ると、同支援会のメンバー企業がコンテナで大連へ送り、現地の実店舗で主に現地企業向けに展示販売するとともに、中国のネット販売サイトにも掲載し、販売状況やアドバイスを依頼主に送るというもので、依頼主は日本国内の輸送費のみ負担し、販売した商品に関しては、その卸価格を依頼主にお支払するというもの。他にも、現地政府関連団体と連携し、「日本商品消費専門委員会」を設立し、中国国内のバイヤーと日本企業との専用ビジネスマッチングを年4回開催する等の支援も行う予定。関心のある方は、同支援会の白石会長まで御連絡願いたい。(e-mail:shiraishi@e-trust.com.cn) (こ)
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