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大連レポート

○「2018中国第1回国際米フェスティバル」に参加して

2018-10-29

    今年、本県との友好提携35周年を迎えた黒龍江省は、中国の「米どころ」としても有名で、2016年の米生産量は、中国全体の10.9%を占めています(中国統計年鑑2017)。中でも、省都ハルビン市の五常で生産されている「五常米」は、中国一の高級米として知られ、「中国のコシヒカリ」とも呼ばれています。10月9日~10日、この中国屈指の米どころ黒龍江省ハルビンで「2018中国第1回国際米フェスティバル」が開催され、中国国内の主要産地に加え、日本、韓国、マレーシア、タイ、インド等主な稲作国のブランド米も出展されました。日本からは主催者である黒龍江省政府の招待で山形県とともに本県もブース出展し、コシヒカリや新ブランド米「新之助」、米菓等のPRを行ってまいりました。
開会式で挨拶した黒龍江省 王文濤省長は、今回のフェスティバルを「米にも良し悪しがあり、良き米とは何かということを消費者にしっかりと説明しなければならない。世界の米を一つに集め、各国の専門家が同一基準で品評する米のプラットフォーム」と位置づけ、「世界一の黒土地帯である当省の米の生産量は7年連続で全国首位。良き土、良き水、良き心で作った黒龍江省のお米をPRしたい。」と述べられた後、「良い米と言えばコシヒカリ!真面目に繊細に栽培し、包装も素晴らしい」と発言されました。
このフェスティバルのメインイベントは、世界中から集められた150品種のうち、予選で選ばれた24産地・品種の品評会でした。審査委員長を務められた新潟薬科大学教授で農学博士の大坪研一氏によると、この品評会は各国の専門家30人が、産地・品種名を伏せられた状態で実際に食してみて、「外観」、「香り」、「味」、「食感」、「冷めた時の食感」および「総合評価」の6項目について、標準品種と比較しながら評価するという、非常に厳格な審査を行ったということです。そして第1回大会の栄えある金賞には、当県が誇る日本コシヒカリ(新潟コシヒカリ)と黒龍江省産の五常米が選ばれました。大坪博士は、「タイやフィリピン等各国によって好みは違うはずだが、審査員全員がしっかりと審査してくれたおかげで、妥当な結果に落ち着いて良かった。コシヒカリは短粒で艶があり、食感が柔らかく、甘味がある。一方の五常米は長粒で香りと光沢があり、コシヒカリと比べると多少粘りが少ないが、一味違った美味しさがある」と解説してくれました。
現在本県は、2011年3月の福島第1原発事故を受けて、米を含むすべての食品の中国への輸出が禁止されている10都県に含まれていますが、10月26日に北京で開かれた安倍首相と李克強首相による日中首脳会談で、中国側からは「科学的評価に基づき、輸入規制を緩和することを積極的に考えたい」旨表明があり、早期解決を図ることで一致したということです。
多くの中国人から、コシヒカリや新之助、米菓等「うまさぎっしり」の新潟の食を味わってもらえる日が早く訪れることを心から期待しています。


表彰式に登壇した新潟県農業総合
研究所原澤所長(左端)                                     会場で地元メディアの取材を受ける県担当者