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大連レポート

○中国ウインタースポーツ事情~3億人の愛好者を目指して~

2019-12-30

    2022年の冬季オリンピックの開催が決まった中国では、ウインタースポーツを楽しむ層が加速度的に増加しています。これは、冬季オリンピックを盛り上げるため、2025年までに中国国内のスキー・スノーボード人口を5,000万人に、ウインタースポーツのレジャー人口を3億人にするという計画を中国政府が打ち出していることによります。
実際、中国国内では政府の号令の下、各地でスキー場、スケートリンク等の施設整備が行われています。それに加え、青少年層に対するウインタースポーツの体験機会の拡大にも積極的に取り組んでおり、今後、青少年層がウインタースポーツの愛好者になっていくことが期待できます。
また、10年・20年のキャリアを持つスキー愛好者も着実に増加しています。このため、県では雪国新潟の魅力を「スノーリゾート新潟」として発信し、ウインターシーズンのインバウンド観光客の誘客拡大に取り組んでいます。スキー愛好者が求めるゲレンデの斜度、滑走距離、コブ・非圧雪の有無など、コアなスキー情報も含めて発信しているところであり、こうした取組が少しずつ実を結び始めており、今シーズンは妙高地域等への新たなスキーツアーの造成に繋がっています。こうしたツアーでは、1週間近く地域に滞在し、スキーを満喫する日程が組まれているため、地域の人々との交流を通じて、その地域のファンになってくれることを期待しています。

大連でスキーの魅力を発信(妙高市長)快適なゲレンデ(万科松花湖スキー場)ナイター設備も完備(同左
一方で、急速に進む中国のスキー場の増大は、今後、日本へのスキー誘客の取組の手ごわいライバルになると考えています。先日、プリンスホテルが中国で運営する「万科松花湖スキーリゾート」を視察する機会に恵まれました。高級感あふれるホテルに加え、最新設備が導入されたスキー場では快適なスキーを楽しむことができるため、ホテル滞在を含めスキーを楽しむ観点だけでは、わざわざ日本に行く必要がなくなってしまうと感じたところです。
そのため、新潟ならではの魅力(豪雪体験、人との触れ合い、温泉・食等を活かした体験など)をしっかりと発信し、インバウンド誘客に繋げていく必要があると考えています。
例えば、中国のスキー場では人工降雪機で50㎝程度の雪を確保すれば、低温で雪が溶けることがないため、ワンシーズン、安定した雪面を維持することが出来ることから、日本の豪雪地の積雪量には大変驚かされるとのことであり、そうした地域ギャップを魅力に変えていくことが重要となってくると感じています。
大連経済事務所では、様々な機会を通じて、新潟県の魅力を中国で発信していきますので、何かありましたら、お気軽に御連絡願います。