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大連レポート

○湖北省政府主催の視察会に参加し、武漢市と三峡ダムを視察しました。

2021-01-15

コロナウイルスの世界的な感染拡大は終息の目途が立たず、日中間の自由な往来は未だ出来ません。その一方で、中国国内では散発的にはコロナウイルスへの感染が確認されているものの、迅速な感染者の絞り込みと発生地域の厳格な封鎖管理等を通じて、感染拡大を封じ込めており、国内移動等での制約は少なくなっています。

こうした中、世界で初めて新型コロナウイルスへの感染者が確認された武漢市などを訪問する機会が、昨年12月にありました。この視察は湖北省政府が企画したもので、中国内の各自治体事務所やJETRO武漢等から30名程の参加者が集まり、武漢の現状に対する関心の高さを知ることが出来ました。

湖北省側からは2か月半の徹底した封じ込めの結果、安定した状況を取り戻し、経済活動再開に取り組んでいることが強調され、街中の人々も通常の生活を取り戻している様子でした。

また、大学が多数立地し、大学生だけで130万人にものぼるなど武漢市の特徴が紹介され、これら豊富な理系高学歴人材を活かし、5G、AI等を活用した企業イノベーションの取組が盛んに行われていることが説明されました。

武漢封鎖時にも、3D設計、衛星での精密測量等を融合させたコロナ専門病院建設や、感染予防のための遠隔医療システムの導入が行われた他、その後も顔認証システムによる行動履歴の確認等も随時進められているとのことです。

今回は、昨年大きな話題となった三峡ダムも併せて視察しました。12月は雨が少ない貯水期に当たるため、水位170m位の概ね満水で管理しているとのことでした。夏場は水位を140m位まで下げ、洪水に備えているとのことで、昨年の豪雨時も、適切なダム管理で乗り切ることが出来たとの説明がありました。

今回の視察を通じ、中国側からは大きな課題に直面しつつも、迅速な対応を行うことで、苦境を乗り越え、現在の安定に繋げることが出来たという自負が感じられました。

武漢市は中国の東西南北を繋ぐ交通の要衝であることに加え、内陸最大の商業都市であることから、イオン等の日系企業も数多く進出しています。イオングループでは、湖北省を重点市場と位置付けて、同地域での店舗展開を加速しているとのことで、今後も、発展可能性を有するこの地域について情報を収集していきたいと考えています。


写真左:湖北省副省長との面談

写真中:三峡ダム(越流水位は185mで、この時は約170m)

写真右:イオンモール(くまモンと連携した販促イベントを実施)