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大連レポート

〇中国での新型コロナウイルスのワクチン接種事情について

2021-05-31

先日、中国にて新型コロナウイルスのワクチン接種を行いました。

5月中旬、大連市に隣接する営口市で新たなコロナ感染者が確認され、営口市と瀋陽市において合計で10名を超える感染者が確認されたことを受け、今回、ワクチン接種を行ったものです。

営口市での感染確認の発表直後は、大連市内でも警戒感が一気に高まり、5月下旬に開催予定のアカシア祭りに影響が出るのではないかと心配されました。事実、一旦は、アカシア祭りは開催中止との連絡を受けましたが、幸いにも連鎖的な感染拡大の兆候がなく、また、大連での感染確認が一件もなかったため、屋外でのイベントに限り、アカシア祭りが開催されることとなりました。

今回、大連市で新たな感染確認者が出なかったことは、ワクチン接種の効果であると報道されています。なお、大連市でのワクチン接種率は既に70%を超えていたとのことです。

大連市内では、一般外国人を対象としたワクチン接種が5月から順次始まりました。開始直後は様子見の日本人が大半でしたが、少しずつ接種者が増え、ワクチン接種時の状況、接種後の副反応の有無等の体験談が共有されていく中で、ワクチン接種に踏み切る日本人が増えています。

実際にワクチン接種をし、想像したよりもスムーズに接種できたと感じました。受付窓口での登録、接種前の問診、データベースへの個人情報登録、実際の接種、接種後の30分待機まで含め、1時間程度で完了しました。因みに外国人の場合は、ワクチンの接種状況が旅券番号と紐づけられ、中国の「健康コード」アプリとリンクし、健康コードに接種状況が反映されるため、国内移動時の手間が少しは緩和されるものと期待しています。

現在のところ、ワクチン接種を国民に強制することはないとのことですが、地域によっては接種促進のため、各種優遇策を実施していると聞いています。また、学校等では、保護者の接種状況の確認が行われ、未接種の場合は子どもが登校できなくなるとの話もあり、普及促進のための締め付けが厳しくなっていると聞いています。

なお、中国では既に2回目の接種促進に向けた取組も始まっています。他の地域では、6月以降は2回目の接種を優先し、一時的に1回目の接種は行わないとの方針を出しているところもあると聞いています。

適切にワクチン接種が普及することで、日中間の往来が回復し、幅広い交流が再開されることを強く期待しており、そうした時期を見据え、交流再開に向けた準備を進めていきたいと考えています。