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大連レポート

〇北京冬季オリンピックから一年、中国のウインタースポーツの現状について

2023-02-27

昨年2月開催の北京冬季オリンピックから丁度一年が経過しました。コロナ感染対策のため、「バブル方式」と称された徹底した封鎖管理方式により、無観客でのオリンピック開催でしたが、その後も厳しいコロナ対策は続きました。昨年12月になり、各種規制が突然撤廃され、現在ではマスク以外でコロナ対策を意識することはなくなりました。

2023年に入ると、122日に春節を迎えたこともあり、国内移動は非常に活発になり、海外渡航に対する関心も少しずつ高まってきています。これまで開催できなかった対面形式でのイベントも矢継ぎ早に開催され、経済活性化に向けた取組も進められています。

そうした中、先日、河北省張家口市で開催された冬季観光に関する友好交流イベントに参加しました。同市の崇礼区には北京冬季オリンピックの競技会場があり、平野歩夢選手が金メダルを獲得した雲頂スノーパークも立地しています。同市では冬季オリンピック開催地の知名度を生かし、冬季観光の誘客拡大を図るとともに、冬季スポーツ関連産業の誘致にも取り組み、人工造雪機の製造企業の他、スキー用具やゴンドラ、リフト等の製造企業も既に立地しているとのことです。

また、北京から高速道路を利用して2時間程度の良好なアクセス環境(冬季は高速鉄道も運行)を背景に、ウインタースポーツを中心に通年での観光誘客の拡大にも力を入れており、グリーンシーズンのアクティビティ充実等に取り組んでいるとの説明もありました。

オリンピック開催によるウインタースポーツへの関心の高まりに加え、何よりも国内移動の制限が撤廃されたことで、様々なスキー旅行商品等が販売されています。愛好者向けにはスキーチャーター便ツアー、子ども向けにはスキーキャンプ(合宿)等、参加者のニーズにあわせた旅行企画が展開され、ウインタースポーツの裾野は確実に広がっています。

今シーズンは海外へのスキー旅行が難しいこともあり、新疆ウイグル自治区へのスキーツアーが人気を集めているとのことです。新疆のスキーエリアへの直行便は殆ど運航されておらず、移動時間が長くなるため、チャーター便を利用する1週間強の日程で参加費用も1万元(約20万円)を超えるものの、春節時期を中心に多くのツアーが催行されたそうです。雄大な自然に恵まれ、半年以上も滑ることが出来るなど、日本のスキー場にはない優位性もあります。

   これからは日本のスキー場ならではの魅力、例えば、柔らかい粉雪の魅力や春スキー&花見といった地域の特色を上手く発信し、差別化を図ることが大切になると感じています。

  

        スキージャンプ競技会場                           雲頂スノーパーク                                       新疆・将軍山スキー場