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大連レポート

○昨今の日本製品への引き合いPR ○「口コミ」を支えるツール「微信」

2013-12-22

○昨今の日本製品への引き合いPR
 今年8月実施のジェトロ海外ビジネス調査の結果によると、「昨年9月以降の日中情勢が現在(今年8月)の中国ビジネスに影響がある」と回答した企業は31.3%で今年1月調査と比べ、17.5ポイントの大幅低下、一方で、今後も中国でビジネスを展開する理由として、「販売面でビジネス拡大を期待できる」とした回答が70.1%で最も高く、今年1月と同程度の回答率に上った。 
 これを裏付ける形で、中国汽車工業協会の統計によれば、中国市場の11月の国別乗用車販売台数は日本車がトップ、昨年9月の尖閣諸島問題発生以来低迷していた売上が急回復し、乗用車の新車販売に占めるシェアで11か月ぶりに首位を奪還したという。また、11月開催の中国国際工業博覧会では、県内の環境ビジネス関係企業を集めて出展する中、空気清浄機を製造販売する県関係企業に商談殺到、大きな成約を獲得した。 
 日中間の政治情勢は、今もなお不安定な状況で、微信及び微博など中国版SNSでは日本製品の不買運動を呼びかける過激なチャットを多く見かける。しかし、実際の行動として、広がりを見せていない。むしろ、多くの中国人は極めて冷静に受け止め、反日機運はどこ吹く風、日本製品を購入している実態を窺い知ることができる。 
(レセプションで県産品を展示説明している様子)
 先月末から今月にかけて、日本大使館及び中国各地の領事館が天皇誕生日記念レセプションを開催し、当事務所も北京、大連、瀋陽、青島のレセプションに参加し、県産品を展示して販促活動を展開した。県産品を手にした中国の方々は日本製品の品質の高さを認め、とりわけ、中国製品との違いや製品の独自性を知ることに大変熱心、このような現実的、理性的、そして冷静な中国の方々が実に多いことに気付かされる。折しも、「防空識別圏」をめぐる対立など日中間の新たな火種が発生、連日の報道で、ある種の緊張感を助長する最中ではあったが・・・。(わ)
○「口コミ」を支えるツール「微信」
 中国ではマスコミ等報道機関に対する情報統制、フェイスブックやツイッターなどへのアクセス統制が行われていることで有名であるが、一方で、近年、中国版SNS(微信、微博等)が爆発的な広がりを見せている。スマートフォン全盛の中、圧倒的な一番人気は微信(WeChat)で、その登録ユーザーは6億人を突破したという。実際に使ってみると、LINEの無料チャット機能とフェイスブックのソーシャルネットワーク機能を併せ持ち、ボイスチャット機能や写真をメインにしたSNS機能が手軽に使える優れもので、海外ユーザーも急拡大しているという。
  中国の方々はマスコミの報道や専門家の意見だけに頼らず、むしろ、身近な周りの人々の意見を聞き、可能であれば自分で確認することを重視する傾向があり、「口コミ」の爆発的拡散の基本ツールとして微信がその大きな役割を果たしている。また、自分撮りを含め、自らの情報や経験を情報発信することに非常に熱心な国民性がある。特に微信は、情報提供の相手先を自ら限定する中での情報発信で、スマートフォンによる即時性の高い情報のやり取りが可能、中国人のモバイル使用習慣に見事に合致したツールとなっている。 
私の微信画面
 そこで、私も中国の方々に習い、臆面もなく自らの写真を公開して、日常業務からプライベートまで微信で情報発信している。その実、驚くほどの反応があり、事務所活動のPR効果、県産品の宣伝周知、さらには個人的なネットワーク拡大にも一役買っている。(わ)