2021-04-15
黒龍江省の省都であるハルビン市と、中国の首都である北京市を結ぶ高速鉄道(通称「京哈高鉄」)のうち、北京‐承徳区間が1月22日に開通した。これで、京哈高鉄は全線開通となり、北京―ハルビン間は最速約5時間での往来が可能となった。京哈高鉄の開通により、首都圏である華北地域と東北地域との往来が活発になるとみられ、2022年に北京で開催される冬季オリンピックにおける重要な交通手段として期待されている。
黒龍江省内を走る高速鉄道は、現在4路線が運航しており、加えて2路線が建設中だ。そのうちの一つは、牡丹江(ボタンコウ)市とその北にある佳木斯(ジャムス)市を結ぶ路線で、今年秋頃に予定されている試運転に向け、工事が進められている。もう一つはハルビン市と伊春(イシュン)市を結ぶ路線で、昨年9月に建設を開始し、2024年の開通を目指している。伊春市は、自然豊かな地域として知られ、夏は避暑地として、森林浴やレジャーを楽しむ観光客でにぎわう。ハルビン市から伊春市へはこれまで7~8時間かかっていたが、この路線が完成すれば、1時間半程度まで短縮されるとのことで、さらなる観光客の増加が見込まれる。
写真左:黒龍江省内の高速鉄道敷設状況
写真右:京哈高鉄の路線図
ハルビン市内を走る地下鉄も、年内に新たに2号線一期と3号線二期(環状線の南東部分)の2路線が開通する予定となっている。2号線一期はハルビン市内を流れる松花江の北側(松北地区)とハルビン市中心部を結び、ハルビン市の冬の風物詩「氷雪大世界(氷祭り)」の会場や、観光名所「中央大街」等を通る路線である。3号線二期は市内中心部を巡る環状線で、市内各地との往来に便利な路線である。そのうち南東部分は、高速鉄道の駅であるハルビン西駅や、ハルビン商談会などの大規模イベントが開催される「会展中心」等を通る。
交通網の発展により、ハルビン市内の観光がより快適にできるようになり、また、ハルビンから北京、そして北京から他都市へという観光ルートを検討することができるようになる。現在、新型コロナウイルスの影響で、日中間を自由に往来することはできないが、再び往来ができるようになった後、新潟―ハルビン間の直行便を利用して、多くの観光客がハルビンや中国各地を訪れることを期待している。(K)
写真左:地下鉄の路線図(青色が2号線一期、赤色が3号線二期(南東部分))
写真右:地下鉄駅入口の工事現場