2024-01-31
昨年11月4日、「2023年“新潟杯”日本語スピーチコンテスト」が、黒龍江省牡丹江市の牡丹江師範学院で開催された。
同コンテストは、日中両国および両県省間の友好関係の発展、学生の異文化理解を深めることなどを目的として、新潟県国際交流協会と黒龍江省人民政府対外友好協会が2013年に共同で開催したもので、今回で5回目となる。昨年は日中平和友好条約締結45周年および新潟県・黒龍江省友好県省提携40周年にあたり、これらを記念して行われた。
本大会は黒龍江省内の大学で日本語を専攻する学部生を対象とし、各校から選抜された総勢12名が出場した。当日は、新潟から新潟県国際交流協会職員および新潟県職員が牡丹江市を訪れ、各大学の日本語指導教師や中国の日本語教育の専門家らとともに審査員を務めた。
新潟県国際交流協会の中山輝也理事長は開幕式の挨拶の中で、これまでの新潟県と黒龍江省の長い交流の歴史に触れ、「今後の友好関係の更なる発展のためには、両国の若い力が必要であり、参加選手らが県省の友好の懸け橋として活躍することを期待する」と述べた。
コンテストは、事前に与えられたテーマについて予めスピーチ内容を準備して本番に臨む「事前テーマスピーチ」と、当日発表されるテーマについて即興で演説を行う「即興スピーチ」の2部で構成された。事前テーマスピーチと即興スピーチのテーマはそれぞれ、『新潟県と黒龍江省の縁-苦楽を共にする友達として-』と『日本語を勉強するために工夫していること』だった。
参加選手らは順に登壇し、新潟県と黒龍江省の農業、経済、教育、文化など様々な領域におけるこれまでの交流の歴史や、雪国・米の名産地といった共通点について触れ、両県省にどのような縁があるかをそれぞれの観点から発表した。また、震災時や新型コロナウイルス感染症流行時の相互の物資支援など、苦難の際には互いに支え合ってきたことなど、長く培われてきた両地域住民の友情関係についても多くの選手から語られた。最優秀賞には、かつて交換留学生として新潟に住んでいた叔母から当時の話を聞き、日本に興味を持ったという話を披露した学生ら3名が選ばれた。最優秀賞受賞者3名は、今年、新潟県内への研修旅行に招待される予定。新潟を実際に訪れ、食や文化、史跡などに触れることで本県の魅力を知っていただき、興味、関心を深めてもらいたい。
県ハルビンビジネス連絡拠点では、同コンテストの開催協力のほか、黒龍江省内での新潟の知名度向上や関係人口の増加に向け、様々な活動を実施している。今後も両県省間の友好関係の発展に資する取組みを続けていきたい。
写真左:中山輝也理事長(一番左)と最優秀賞受賞者
写真右:出場選手と審査員ら