2016-03-28
「ハルビン国際氷雪祭り」は1985年から始まり、日本の札幌雪まつりと共に世界4大氷雪祭りに数えられる大きなイベントとなっている。
その中で最も規模が大きい催しの一つが、ハルビン市を流れる松花江の中州を会場に開催される「ハルビン氷雪大世界」である。
このハルビン氷雪大世界は1999年から始まり、17回目となる今回は、2015年12月22日にプレオープン、翌2016年1月~2月いっぱい開催された。 この70日の期間中に訪れた来場者は延べ110万人に上り、営業収益はおよそ3億元(50億円超)に達した。多い日には一日4万人以上が入園したとのこと(主催者発表)。
今回は、中国の国家的「一帯一路」のテーマのもと、世界との氷雪文化の結節点となるよう意識され、国際色豊かな展示内容となった。
期間中は、大小2,000以上の氷の建築物や像が展示され、イルミネーションに飾られた色とりどりの鮮やかな姿を見せると共に、世界各国の様々なアトラクションや、トナカイが引くソリ、巨大な氷の滑り台やスケートなど、子供たちも楽しむことができる様々なアクティビティが用意された。 なお、これら氷像に使われる氷は、毎年松花江の凍った川面から切り出した氷を使っているとのことで、ハルビンのマイナス30度を下回る厳冬期には、川面はトラックで渡れるほどの厚さに凍ってしまう。
今回は、平日休日や昼夜の区別なく、一律一般客300元、ハルビン市民は160元の優待料金に統一し、分かりやすい料金体系が設定された。なお、春節後の2月14日~29日の期間は優待範囲を拡大し、黒龍江省の全住民が160元で入場できるようになっていた。
今回の開催に際しては、国内外の多くのメディアに取り上げられ、その魅力は年々多くの人々に知られるようになっている。日本も新聞社などが公式取材に訪れ、ハルビンの冬の祭典を報じていたようだ。
また、緑色有機食品など、黒龍江省の農作物や産業の特徴をPRする内容も展示され、来場者にハルビンや黒龍江省を理解してもらうための取組も行われた。観光をきっかけに、黒龍江省の経済発展にも寄与するような運営が図られているようだ。
今回は、新潟県知事も1月の省長会談に併せてこの氷雪大世界を初めて訪れ、氷の巨大滑り台等を楽しんだ。
今後、このハルビン氷祭りを目当てとする日本からの旅客が増えれば、航空路である新潟ハルビン線もさらに活用され、両県省の交流も濃いものになっていくだろう。(J)