TOP

黒龍江ニュース

○哈爾賓(ハルビン)-佳木斯(ジャムス)を結ぶ高速鉄道が開通!

2018-11-30

    2018年9月30日、黒龍江省の省都である哈爾賓市(ハルビン市)と同省副中心都市の佳木斯市(ジャムス市)を結ぶ高速鉄道が正式運行を開始した。この路線は両都市の頭文字を取って「哈佳快速鉄路」と呼ばれ、2014年7月着工、総額347億元(約5,673億円)を投じた全長343㎞、中国高地寒冷地帯における最長の高速鉄道路線となる。設計速度は200㎞/時、所要時間は最短で1時間58分(停車駅が最も少ない便)、運賃は1等席が192元(約3,110円)、2等席は120元(約1,940円)。以前よりハルビン-ジャムス間に鈍行鉄道があるが、その所要時間は5時間半程であり、この高速鉄道の敷設により大幅な時間短縮となった。
    ジャムス市は黒龍江省東部に位置し、面積3.27万㎡、人口234.5万人(2017年)を有し、ロシア国境が近く対露貿易の重要地である。また、黒土の穀倉地帯である「三江平原」が市区域内にあり、農業生産地としても有名。この平原は湿地帯で以前は農業に不向きだったが、本県亀田郷の乾田化事業を実施した亀田郷土地改良区の協力で水利施設が建設され、農地開発を行った経緯があり、新潟県とも所縁の深い都市である。
    また、哈佳快速鉄路の停車駅には、方正県がある。ここは旧満州開拓団が最後に辿り着いた地であり、この地で亡くなられた方のための合葬墓である「日本人公墓」が建立されている。当時は残留婦人や残留孤児が多くいたが、方正県の人々から養子として迎えられるなどの厚い世話を受けたとのこと。こうした残留邦人が帰国したり、その子孫が日本へ渡ったりするなどしており、方正県と関係のある日本在住者は多い。今年就航20周年を迎え、年間利用者数2万4千名程(H29年度統計)を有して本県のインバウンド観光を支える新潟-ハルビン国際線も、就航当時はほとんどが親戚訪問としてこうした所縁の地を訪ねる日本からの乗客であったとのこと。
    国土が広大な中国であるが、主要都市間の交通整備はある程度完了しているように思う。その一方、地方都市内のインフラ整備はまだ途上で、黒龍江省でも多くの工事が実施中である。目下、ハルビン市と牡丹江市を繋ぐ高速鉄道の建設も進められ、既に試験運行段階に入っているとのこと。完成の暁には省内を行き交う高速鉄道は計3路線となり、交通利便性が一層向上する。この路線が新潟-ハルビン間の空の便と連携し、両都市の相互交流が更に活性化することを期待したい。(Y)

【中国残留邦人】
    『昭和20年当時、中国の東北地方(旧満州地区)には、開拓団など多くの日本人が居住していましたが、同年8月9日のソ連軍の対日参戦により、戦闘に巻き込まれたり、避難中の飢餓疾病等により多くの方が犠牲となりました。このような中、肉親と離別して孤児となり中国の養父母に育てられたり、やむなく中国に残ることとなった方々を「中国残留邦人」といいます。(厚生労働省HPより)』
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/senbotsusha/seido02/index.html)
     
(高速鉄道車両)                                        (佳木斯 高速鉄道停車駅)


(「哈佳快速鉄路」路線図) 


(黒龍江省の高速鉄道敷設状況)

【写真等出典】 
・新浪博客(http://blog.sina.com.cn/s/blog_7feff04c0102xsip.html)
・搜狐(http://m.sohu.com/a/245419414_151161)
・索安特(http://www.fssat.com/index/incx/picshow.aspx?class=90&pic=232)