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大連レポート

○熱狂するネット商戦の一方で ○湖南省との交流拡大に向けて

2015-11-23

○熱狂するネット商戦の一方で
 中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日、近年この日は、ネット上で通販サイト各社が一斉に特売をする日として定着し、すでに春節商戦に匹敵するイベントに拡大、今年も昨年の売上記録を大幅に上回り、その莫大な販売額と熱狂ぶりは国内外で大きく報道されていた。安さが売りのネット販売は、都市部だけではなく農村部まで利用者が徐々に拡大しており、近隣にまともな商店街がない場所でもスマートフォン一つで買い物ができる便利さとお手軽感により、通販サイトの消費は今後さらに増えていくだろう。
  しかしこの現象、中国経済の一部分を投影したに過ぎず、とても浮かれている状況にはない。先日、大連の繁華街で人民路沿い高級ホテル隣のテナントビルに久々に立ち寄るとその光景に愕然、夕方6時過ぎの退社時間にもかかわらず、人はまばら、各階のテナントは空き放題、以前多かったファッション関連のショップは減り、飲食店が各階ごとに何のコンセプトもなく軒を連ねている様子でその様変わりに驚かされた。さらに別の場所を見ると、今年の春先に大連駅近くの市街地にオープンした大型ショッピングモール、オープン当初は賑やかだったものの、数か月が過ぎ、来場者は随分少なくなっている印象、かろうじて一部の飲食店に幾分活気がある程度であった。近隣に住宅用マンションが集積するエリアということもあり、相当の集客を期待しているはずだが・・・、「(モール内は)天気や空気の汚染に左右されない絶好の散歩コース」との皮肉めいた声を聞いたことがある。そして、大連市政府に面した人民広場に隣接するオリンピック広場に総面積約22万㎡の超大型ショッピングモールが近々にオープン予定、このような状況で果たしてテナントは順調に入っていくのか?生活実感からかけ離れた無秩序な開発計画は、今の中国の地方都市の現状でもあろう。 
 統計によれば、北京、上海をはじめ中国各地で、都市部だけではなく、市街地から離れた郊外も含めて大型ショッピングモールの新規オープンが増え続けているという。高騰したテナント料の関係から、客足に応じて入れ替わりが激しく、特に若年層のファッション関係の実店舗は、ネット通販に押される形で売上不振となり撤退するケースが多く、これらスペースを埋めるように飲食店が入居、大型モールに占める飲食店の割合が拡大し、日本と比べその割合は比較的高いように感じる。閑散としたブランドショップ店、対照的に賑わいを見せる大衆飲食店という光景は、中国の大都市圏に共通した現象になりつつあるようだ。「中国飲食産業発展報告(2015)」によれば、景気低迷やぜいたく禁止令による高級店の不振にもかかわらず、2014年の全国の飲食収入は、対前年比9.7%増の伸びを見せ、厚みを増す中所得者による大衆的な飲食店への需要が消費を強力に牽引していることが裏付けられている。一方、中国国内の高級ブランド専門店の閉店が加速しており、某有名ブランド専門店は最盛期の約半分まで店舗数が減少したという。その背景には、反腐敗運動、代購(海外商品の代理購入)の拡大、中国人の海外旅行者の増加等が影響しているものと考えられる。(わ)
○湖南省との交流拡大に向けて
 11月12日から4日間の日程で、森副知事を団長とする県訪問団の一員として、上海及び湖南省を訪問した。湖南省出身の駐新潟中国総領事館の何平総領事の支援もあり、これまでにも新発田市、南魚沼市、県マスコミ関係者の湖南省訪問が実現した一方、常徳市や郴州市の訪問団が来県するなど、すでに両県省の往来は活発化している。
(森副知事と何報翔 湖南副省長との会談の様子)
 今回の訪問の中で、両県省とも米の一大産地である特徴を活かした農業交流、世界遺産である張家界を筆頭とする魅力ある観光資源を活かした交流、さらには、今年2月に新潟で開催し来年も開催予定の「春節祭」への参加など、更なる交流拡大に向けた具体的な項目について意見交換した。(わ)