2024-10-30
10月11日(金)から14日(月)まで、食の新潟国際賞財団第5次訪中視察団の皆様が、黒龍江省ハルビン市及び双鴨山(そうおうざん)市を訪れました。
「佐野藤三郎記念 食の新潟国際賞」は(公財)食の新潟国際賞財団が「食の新潟」の歴史を踏まえ、先人の献身的精神と情熱を次世代に継承するため、世界の食における課題に先進的に挑戦しめざましい成果をあげている人(業績)を顕彰する事業です。
佐野藤三郎氏は、当時「あし沼」「地図にない湖」と呼ばれた亀田郷(新潟市)を不屈の精神を持って日本有数の美田へと変貌させました。その後、この経験をもとに中国政府の要請に応え、1970年代後半から1990年代にかけ、中国三江平原の農業開発プロジェクトで技術指導を行いました。さらに、新潟県日中友好協会を設立して会長に就任し、日中間の友好関係の発展にも大いに貢献されました。
食糧の安定供給に取り組み、日中国際協力の先駆けとなった佐野氏は、新潟の誇る偉大な先人であり、今年3月26日、新潟市名誉市民となりました。
今回の視察団は、(公財)新潟県国際交流協会の中山輝也理事長を団長とし、佐野氏のご子息とご令孫、また、亀田郷土地改良区理事長、新潟県日中友好協会会長など9名で構成され、中山団長は、三江平原の農業開発プロジェクトに技術者としてチーム最年少で参加し、佐野氏と共に開発に貢献されました。
今回の訪問では、双鴨山市の「二“稲”ハッピーバレー」(中国語で「二“稻”欢乐“谷”」)と、龍頭橋ダムを視察しました。「二“稲”ハッピーバレー」は2025年に開業が予定されている、田園、かかしを主題としたテーマパークで、建設中の様子を視察しました。当該施設の水田の水は龍頭橋ダムから引いており、ダムの水が今後も、観光業にも活用されることを伺いました。
写真左:「二“稲”ハッピーバレー」入り口 藁で作られた人形が出迎える
写真右:「二“稲”ハッピーバレー」にて説明を聞く一行の様子
龍頭橋ダムでは、ダム管理局の方から「ダムの水は、水稲のみならず、漁業、観光業、発電、工業にも活用され、周辺住民の暮らしを支えている。また、ダム建設以前は10年に1度あった洪水が、20年に1度に減少し、大変恩恵を受けている」と伺いました。龍頭橋ダムは、高速鉄道の最寄り駅である佳木斯(ジャムス)市街地から現在でも車で4時間程かかる距離にあり、当時の苦労とその業績の偉大さを感じることができました。ダムを前にし、佐野氏のご令孫は「ここにきてやっと、祖父の本当の偉大さを感じることができた」とおっしゃっていました。
佐野氏や中山氏といった新潟県出身の偉人たちが、このように中国で活躍されてきたことに改めて敬意を払うとともに、これに学び、日中友好の関係を未来へ紡いでいけるよう、尽力して参ります。S
写真左: 佳木斯駅にて集合写真
写真右: 佐野藤三郎氏ご子息(写真左)とご令孫(写真右)が龍頭橋ダムを臨む
【参考】
佐野藤三郎記念 食の新潟国際賞ホームページ
(https://www.niigata-award.jp/index.html)